多くの男性は、家族のために頑張っていると思います。仕事のルーティンをこなし、稼ぐこと。それが私の役目で愛のかたちだと考えていました。
自宅に帰っても、奥さんと一緒に家事や育児をする男性も増えていると聞きます。私も疲れていても出来ることはやっているつもりでした。しかし、結局気持ちのすれ違いが続き、私は妻と離婚をすることになりました。
この本は私が最近読んだ本で、私の長年やって来たことは完全に間違っていたと知りました。妻(女性)に対する関わりはコツがあって、ここを押さえないとあまり効果がなかったのです。
もっとも、この手の本を読んだことがある方にとっては、大部分は目新しい知識ではないかもしれません。ただ、私は目からウロコであった内容もあり、また「知っている」だけでは意味がないので習慣化し生活に落とし込むまで何度も読みたい内容だと思います。
そして、何度も読むということで言うとマンガは非常に向いています。
うまくいっていないと感じている人でも離婚をしていない人は間に合うかもしれません。何も問題がないという人も知っておいた方が良い内容です。また、女性も「あるある」と楽しく読めるだけでなく、男性の気持ちも分かるのではないでしょうか。
そして、まだ結婚していなくても、大切な人がいる、モテたい!という男性にも必須の知識となるでしょう!
あなたが私のようになる前に…という願いをこめて、本の紹介をしたいと思います。ただ、全て取り上げてここに書くは難しいので特に印象に残った部分をお話します。
「あなたの夫度チェック」
自称、理解のある夫のつもりでしたが、結果は6点。見事に「ダメ夫」でした。チェックを終えた私の感想は、「いやいや、これは無理でしょ」でした。
恐らく多くの男性が、これらの項目を見てそう感じるのではないでしょうか。
たとえば、最初の、「妻の細かい小言に、心が削られる」という項目(正直、年が経つにつれ小言すら言われなくなるのですが)。最後の、「妻は理不尽だと思う」という項目。
私はどちらも〇がついてしまいなしたが、本編を読むと「あ、なるほど。こういうことか」と分かりました。
正直ここで0点、という方はこの本は不要だと思いますが、自分には当てはまらなかった箇所も、読み進めることで新しい気付きがあるのではないでしょうか。
Lesson1 理不尽な妻に対処する方法
主人公のように「妻は変わってしまった」と思う男性は多いと思います。そして自分はと言うと、「こんなにやっている」と感じるのではないでしょうか。
「いってくれればやったのに」。一見、「優しい夫」が言いそうなこのセリフ。私も何度言ってしまったことか。それから「妻が絶望する夫のあるあるNGワード」の中の「だったらやらなくていいよ」も言ってしまった記憶があります。
一番最初のこのパート(Lesson 1)は、女性にとって非常に大切であり、恐らく多くの男性にとっては最も苦手なことのひとつ、「察する」ことについて書かれています。
言語を発することの出来ない子どもを育てるために、女性は察する能力が高いそうです。ですので、女性は「察しようとしない」=「大切に思っていない」と感じてしまうそうです。
ちなみに全てに言えることですが、この本に出て来る「脳科学」という言葉や理由付けの全てが正しいかは分かりません。ただ「こう考えると腑に落ちる」のは確かです。
そして男性である私がこの本に好感が持てるのは、女性が良いとか正しいという書き方をしていないことです。「男は男で、こう思ってこうやってくれたんだよね?」「だけど、相手が大事ならこう考えてみたら」と。
だから割と抵抗なくスッと入ってくるのだと思います。
「察する」は確かに、かなりハードルが高いです。ただ、「察しようとする」は出来るはずです。そして「察すること」はこの本のLesson2以降にも通じることで、男女のすれ違いの根本に当たる部分なのでしょう。
Lesson3 共感スキルを装備すれば仕事にも役立つ
「察する」ことと同様、「共感する」が大切なことは頭では分かっている人が多いのではないでしょうか。
ただ、多くの会話の中で男性にとっては重要とは思えない話や、「それは違うんじゃない?」ということも多々あると思います。
私が思い出すのは、妻がよく「こんな夢を見た」という話をしていたことです。特にオチもなく、「え、だから?」という内容でした。
また、「〇〇さんから聞いたけど、ここは△△のほうが良いらしいよ」といった話も、私も私で一生懸命に調べた内容だと「〇〇さんは専門科なの?エビデンスはあるの?」などという考えが浮かんでしまいます。
さすがに、そこまで冷たい態度はとっていません(と思います)が、そこで妻がどう感じたのかに焦点をあてれば、夢の内容の話ももっと興味が持てたと思います。「〇〇さんのアドバイス」も肯定と感謝から入ることは出来たと思います。
マンガで印象に残ったのは、「転びそうになった」に対して「スニーカーにすれば」という夫の回答。これが典型ですよね。女性が求めていることは「怖かったね」「怪我なくて良かったね」であって、具体的な評価やアドバイスではないのですね。
そして、男性からもこのような些細な「知のプレゼント大会」に参加することを勧めています。
こういった共感は、まさにタイトルにあるように仕事にも役立ちますし、カウンセリングの基礎でもあり、プライベートでも役立つと思います。出来れば男性もうわべの共感ではなく、女性との気持ちの共有を楽しめると良いですね。

Lesson6 「名もなき家事」で離婚の危機に
私が最も衝撃を受け、涙が出たのはここです。自分に重ね、専業主婦だった妻がどんな気持ちで家で過ごしていたのかを想像することが出来ました。
そう、家事は「名もなき」という表現が本当にしっくり来ます。
ゴミ捨ての例も分かりやすかったです。夫はゴミ袋を集積所に持って行くだけで家事をやっていると思いがちだが、その陰で妻はゴミを選別したりゴミ箱を掃除したりゴミ袋を切らさずに買ってセットしている。
もちろん男性も大変です。主人公の友人の章君が家に帰る前に駐車場の車の中でひとりになる時間を持ちたいというシーンなどは非常に共感します。
ただ、男性の仕事は頑張れば評価され賞賛されます。また、特に小さな子どもを育てている妻には「車の中でひとりになる」時間もないのです。感謝出来るのは夫以外に誰がいるでしょうか。
夫にもできそうな「名もなき家事」タスクが載っています。私にはもう遅いですが、参考になると思います。
最後に
会社や同僚に評価・賞賛されやすい夫と異なり、育児・家事をしている妻に感謝しねぎらうことが出来るのはほぼ夫だけです。しかし、夫はしばしばその方法を間違っているので夫婦の溝が大きくなりやすいのです。
とは言え、妻が求めているのは多くの夫には苦手なことなので合格点をいきなり取ろうとすれば挫折します。そうではなく、ただ進むべき方向や考え方を修正することは出来るはずです。
ですので私はこのマンガになる内容を、たとえば月に1回とか繰り返して読むことをお勧めしたいです。
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